管理栄養士の活動
2022年11月、給食全面委託更新を無事終えた折、大きなニュースが舞い込みました。病院長(森田茂樹先生)が提案した、「ホテルのシェフにお越しいただき病院食を習おう。」という企画です。早速、病院長、栄養管理室長にお供し、ホテル日航福岡を訪ねました。
病院長の熱い思いにシェフは快諾され、12月に「食改善プロジェクト」が始動しました。同時に、広報活動として、プロジェクトを広く一般の方に認知してもらうことも目標のひとつになりました。
シェフの実演は月に2回、当院の厨房で行われます。献立担当者も臨場し、シェフの調理の細部までを捉えて記録、共有します。毎回ごとにテーマを決め、病院食に取り入れられるメニューの考案、食材の選定から、下処理、調理、盛り付け、食器に至る全てをご教授いただきます。委託職員も含めた、試食会は至福の時です。シェフの料理を堪能し、どのように献立に反映させるかを検討します。とは言え、700床を超える当院の1回の提供数は550食、食種は100種以上に上り、日々の和風献立に融合させることは容易でないことも実感しました。
新年度、栄養管理室では、新たに栄養管理室長他5名を迎えました。本年は、7年に一度の電子カルテ更新に加え部門システム更新も控えています。また、6月からは、周術期栄養管理加算、外来化学療法の栄養管理、MC(メディカルコーディネート)センターへの管理栄養士配置と体制が大きく変化する中、プロジェクトは、在院期間を考慮しおおよそ2週間に一度の頻度で提供する行事食に焦点を当てました。新卒者2名を献立担当とし、献立会議を再開し、料理をイラストにすることで、イメージを膨らませ、経験者の意見も取り入れながら行っています。その中で、更なる問題点を洗い出し、献立のみならず調理機器、食品規格、食器やトレイに至るまで見直しを始めています。プロジェクトは始まったばかりです、今後、進化し続け、日々の献立に彩を添え、治療としての食事は、当院の理念である「寄り添う医療」に寄与します。
最後に、プロジェクトは前病院長からの「ギフト」だと考えます。託されたギフトを患者さんへ「美味しい病院食」として届けること、そして5年、10年先へ「継承する」ことを目標に、看護部を始めとする関連部署の協力を得ながら、栄養管理室一丸となり日々精進いたしますので、続報をお待ちください!