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管理栄養士の活動

ニュークックチルシステムを導入して
当院は、結核療養所として創設され、1938年の開院以降、富山県の結核医療を担ってきました。いくつかの変遷を経て、現在は、結核病棟に加え、170床の重症心身障害者病棟、神経難病等の重症者病棟、小児精神医療の病棟があります。
この度、食事提供の新しい方法として、ニュークックチルシステムを導入しましたので、ご紹介します。
当院ではこれまで、クックサーブ方式をとってきました。
クックサーブでは、調理後すぐに食事を提供するため、出来立ての味と温かさを楽しめる特徴があります。特に、揚げ物や炒め物など、調理直後の状態が最も美味しい料理に適しています。
一方で、ニュークックチルシステムとは、調理後すぐに安全な温度まで急速冷却(クックチル)した料理を冷たいまま食器に盛り付け、専用の再加熱機器にセットし、庫内で冷蔵保管後、提供の時間にあわせて料理を計画的に再加熱し、提供する方法です。ホテルなど宿泊施設の朝食などでも導入されており、皆さまも、ニュークックチルシステムを活用したお食事を知らず知らずのうちに召し上がっているかもしれません。
近年、働き手不足問題が社会現象化しており、患者給食業界も例外ではありません。業務委託範囲が拡大する中、患者給食受託会社での欠員が常態化し、人の拡充が順調に進まない現状を考慮すると、将来的にクックサーブシステムでの患者食提供が困難となる可能性が考えられます。
そこで今回、働き手不足の中でも安定した患者食提供を継続することを目的に、一般食朝食へニュークックチルシステムを導入しました。
クックサーブシステムの方が美味しいお食事を提供できるのでは?と思わるかもしれません。ニュークックチルシステムでの提供に適した献立として、朝食に温かいスープと主菜をメニュー構成としたところ、患者さま、当直医師からも好評をいただいており、喫食率向上にもつながりました。
クックチルした料理は調理後5日間保管可能なため、朝食以外の他の時間帯や土日祝日・長期連休にも応用が可能と考えます。今後も試作を重ねてクックサーブ同様の美味しい食事をニュークックチルシステムで提供し、人手不足の中でも安定した食事提供を続けていけるよう取り組んでいきます。

加熱調理を行うスチームコンベクション(左手前2台)、急速冷却を行うブラストチラー(右奥2台)

クックチル後の料理を保管するチルド庫(左2台)、設定した時間に再加熱する専用機器リヒートウォーマー(右)

クックチル後、冷やした食器へ盛り付け

再加熱機器(リヒートウォーマー)へセット

スープと温かい主菜を構成した朝食