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管理栄養士の活動

地域包括医療病棟でのミールラウンドをはじめてみて
 当院は鳥取県米子市にある270床の急性期病院で、鳥取県西部医療圏域の病院群輪番制病院として成人及び小児の二次救急医療も対応しています。栄養管理室は管理栄養士3名、調理師2名で、給食業務の一部を委託しています。管理栄養士は病棟担当制をとり、栄養管理業務を行っています。
 令和6年度診療報酬改定に伴い、同年12月より急性期病棟(7階病棟:46床)が地域包括医療病棟となりました。
 地域包括医療病棟とは、中高年齢の救急患者さんを中心に受け入れ、リハビリや栄養管理、入院および自宅等への退院の支援を総合(包括)的に提供する病棟で、平均在院日数は21日(90日が上限)、日当点3,050点となっています。
 地域包括医療病棟では、週5回以上の食事観察が算定要件となっており、ミールラウンドを昼食時に実施し、医師や看護師、リハビリテーションスタッフと情報共有し、食事の摂取状況の評価や内容調整を行っています。当該病棟には専任管理栄養士を配置していますが、外来栄養指導を曜日担当制でしているためラウンドに行けない場合もあるので、管理栄養士2人体制でそれぞれ20人前後の患者さんのミールラウンドを行っています。ミールラウンド時のチェック項目を【表1】に示します。他施設で実施されているチェック項目を参考に作成し、患者1人1シートで経時的に食事内容等が確認できるような様式にしました。ラウンド後は、電子カルテにチェック内容、食事変更内容、患者さんの声や気付いたことを入力しています。
 ミールラウンドを実施してみて、患者さんからは、「美味しくいただいています。いつもありががとう」、「栄養相談をしたかったから、早く来てくれて良かった」、「食事調整してくれて完食できるようになった」等うれしいお言葉をいただき、病棟スタッフからは、「患者さんにとって良い活動をしていますね」、「食事のことがすぐに相談できていい」と好評をいただいています。私達自身もミールラウンドを行うことで、患者さんと接する時間が増え、改めて栄養管理の重要性や入院生活の楽しみの一つでもある食事を提供している一員であることを実感しました。業務量は増えましたが、早期に患者さんの食事調整を行えますし、些細な変化に気付き、患者さんの病態や状態に適した食事が提供できているのではないかと思います。これからも、安心・安全な食事を提供するとともに、喜んでもらえる食事、元気になる食事を提供していくことが私達管理栄養士の使命だと思います。
 患者さんの状態や状況をタイムリーに把握し多職種と連携するには、ミールラウンドの時間だけでは不十分と考えますが、優先順位を考え、必要な患者さんに必要なタイミングで最適な栄養管理が提供できるよう、これからも多職種と協力し、取り組んでいきたいと思います。