管理栄養士の活動
当院は盛岡駅の北西3.2kmに位置し、北北西には南部富士と慕われる岩手山を望み、近郊には小岩井農場や八幡平国立公園等の観光地、周辺は比較的静寂な新興住宅街にある16診療科247床の病院です。成人及び小児の二次救急輪番病院でもあり、救急から急性期、回復期まで対応しています。
各診療科の中で、整形外科では整形外科医師を中心に骨粗鬆症マネージャーの認定資格を持つ看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、MSWがFLSチーム(チーム名:骨骨ボーンボーン)として活動しています。FLS(骨折リエゾンサービス)とはさまざまな職種の連携により、脆弱性骨折患者に対する骨粗鬆症治療開始率や治療継続率を上げるとともに、転倒予防を実践することで二次骨折を防ぐ取り組みです。
FLSチームで活動する管理栄養士の業務は、骨折患者の栄養状態の評価、サルコペニアや低栄養リスク評価、食事摂取状況確認、個別栄養指導、他職種連携、退院支援・継続支援、教育・啓発活動などが挙げられます。栄養管理については通常業務の延長となりますが、他職種連携として月1回のミーティングや介入患者個々に配布されたFLSノートを記入し、他部署が記載した内容から情報共有しつつ入院から退院後も継続した介入ができるよう繋いでいます。
教育・啓発活動として、今年度はコロナにより中止されていた地域住民向けの健康教室が再開となり、FLSチームで「みんなで延ばそう健骨寿命」をテーマに開催しました。数年ぶりの開催にも関わらず、地域住民の多くの方々にご来場いただき、会場満席の中、整形外科医長が骨折の現状や治療、医療費についての解説。管理栄養士が骨を丈夫にする食事について、理学療法士が骨折予防となる簡単運動などの講話を行い盛況の中終了となりました。講話を聞きながら参加者が気になる部分にラインを引いたりメモを取る姿を見て、骨粗鬆症予防への関心や健康意識の高さを実感しました。
今回をスタートに健康教室では、いろいろな疾患について開催される予定ですが、骨粗鬆症に関わらずどの疾患においても食事摂取からなる「栄養」が大切だと思われます。今後も地域住民と交流できる健康教室開催の機会には積極的に参加し他職種と一緒に活動していきたいと思います。