栄養士の活動
パーキンソン病はドパミンの量が減少することで神経伝達に障害が生じ、振戦や動作緩慢、筋強剛、姿勢保持障害などが起こる病気です。
当院ではパーキンソン病に特化した診療部門として「パーキンソン病センター」(以下、PDセンター)を中国地方で初めて、令和2年12月に開設しました。
◎PDセンター
「ずっとチームであなたを支えます」をスローガンに、脳神経内科専門医、院内認定パーキンソン病看護師(PDナース)、PT、OT、ST、薬剤師、MSW、ME、事務官、管理栄養士、調理師等が連携して、患者さんの治療に関わっています。
◎管理栄養士の主な関わり
パーキンソン病の栄養状態に関わる症状としては、嚥下障害、嚥下障害やドパミンの作用低下(OFF時)が影響した食事摂取不良、それに伴う体重減少、また便秘、起立性低血圧などが挙げられ、多岐に渡ります。
そこで当院では栄養はパーキンソン病において「食べるくすり」と考え、治療の根幹に位置付け、栄養管理にも力を入れています。
私達、管理栄養士の主な関わりは以下の通りで、一部を紹介します。
○栄養指導
栄養指導は以前から行っていましたが、統一した指導媒体はなく、各栄養士の裁量に委ねていました。そこで、エビデンスに基づいた内容で、患者さんやご家族に分かりやすい指導をするためレジメを作成しました。
内容はパーキンソン病診療ガイドラインや慢性便秘症診療ガイドライン、その他文献を参照しました。また、当院の患者に高頻度に見られる症状を脳神経内科専門医およびPDナースに確認し、掲載内容は体重管理、症状の日内変動に対する食事のとり方、便秘の予防・改善、立ちくらみ予防、摂食・嚥下障害への対応等に絞りました。このレジメを使用することで、患者さんの悩みを自然に引き出すことができ、スムーズな指導ができるようになりました。
〇PD教室
毎週火曜に、医師、看護師、リハビリ、薬剤師、MSW、管理栄養士が週替わりで講義を行っています。
【栄養編】「食事のポイントと便通改善のヒント」
〇院内認定PDナース養成
当院では、PDに対する専門性の高い関わりを行い、患者の症状や生活に寄り添ったケアの提供を目的に院内認定ナースを養成しています。各職種が講義を行っており、管理栄養士も「PD患者の栄養管理」の講義を担当し、養成に関わっています。
このように、PDセンターは多職種チームで、患者さんやご家族が安心してより良い生活ができるよう支援しており、管理栄養士もその一員としてがんばっています!