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栄養士の活動

精神科病院における栄養管理
 花巻病院は、岩手県中部診療圏精神科救急の拠点病院であると同時に、岩手県認知症疾患医療センター(地域型)、岩手災害派遣精神医療チームDPATの指定を受けている精神科専門病院です。
 精神科では病識や理解力に乏しい患者への栄養指導を実施することが比較的多くあります。食べないと眠れないという理由で、夜食としてお菓子やカップ麺を摂取する患者や、金銭面が厳しく野菜や肉・魚などを買えないなどという患者もいます。睡眠はどうか、金銭面は大丈夫か、家族の支えはあるか等、患者の生活状況について確認した上で、患者の意思を尊重しそれぞれに合った食事内容の提案を行うことを心がけています。
 また、抗精神薬服用などの影響により食欲亢進が認められ、肥満を合併する患者も多く見受けられます。口渇が生じることで糖質を含む炭酸飲料等の清涼飲料水を過剰に摂取することも要因の一つと考えられています。
 一方で、栄養指導を継続することで栄養状態が改善する場合もあります。患者の中には食習慣の完璧を目指してそれが負担となっていることがある患者もいるように思われます。
 これからも患者個々の生活状況に応じた栄養指導を実施することを心がけていきたいと思います。
 また、当院では昨年度より精神疾患や認知症疾患による身体拘束ゼロを目指した回診・カンファレンスを実施しています。多職種で集まり意見を出し合うことで全身状態悪化を防ぎ、結果的に身体拘束を減らすことが目的の一つとなります。その中で栄養士も認知症における低栄養を防ぐ食事内容の提案等を行っています。食事内容だけでなく、食事環境や介助方法を多職種で話し合うことができる機会にもなっています。