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栄養士の活動

東埼玉病院フードサービスご紹介~ワゴンサービス~
 当院は552床(医療法)の呼吸器疾患(結核を含む)、神経・筋疾患(筋ジストロフィーを含む)、重症心身障害を政策医療とする亜急性期病院です。その特徴ゆえ長期入院される患者さまが多く、毎日の食事が治療の一環としてだけではなく、楽しみの一つになっています。
 当院では、フードサービスとして、「行事食」、「週5回の選択メニュー」、「筋ジス・重心病棟での月一回のケーキの日」、「一般病棟での誕生日ケーキ」等の実施をおこなっています。中でも今回、当院ならではのサービスである「ワゴンサービス」についてご紹介いたします。
 「ワゴンサービス」は、病棟にて、移動ワゴンからメニューを選択・患者さまの目の前で盛りつけをおこなうことが特徴です。そのため、使用するワゴンは温蔵機能がついており、温かいものを温かい状態で配膳することが可能です。過去には、「太巻き寿司」、「アイスクリーム」、「ケーキ」、「パスタ類」等をおこなってきましたが、これらの企画は調理師が主体となり、自らの調理技術を生かした普段の給食提供ではできないようなサービスとなっています。当院の食事では形態調整食がとても多いため、サービスする内容によっては形態別(一口大、粗キザミ、キザミ、ミキサー)に具材を用意する等、患者さま個々の状態に応じた食内容にできるよう、配慮しています。また、普段の給食とは異なった雰囲気を味わっていただくために、飲み物を入れるカップとソーサは、ワゴンサービス用に陶器のものを使用し、病棟の食堂にテーブルクロスを敷く工夫もしています。毎回のサービス後にはアンケート調査をおこない、その結果を次回時に反映させてよりよいサービスができるよう心がけています。ワゴンサービス実施にあたっては、企画・準備・病棟との調整をおこなう栄養士、調理師の他、食事介助にあたる看護師、介助員、保育士等の協力が欠かせないため、病院全体の取り組みとして、多職種協力のもとおこなっています。

 春に呼吸器病棟と神経・筋疾患病棟の2病棟において実施したサービスでは、6種類のデザートと、4種類の飲み物を用意し、患者さまにお好みの取り合わせで選んでいただきました。中でも、調理師お手製の旬のいちごを使った「いちごババロア」や、「かぼちゃプリン」がとても好評で、患者さまの中には「これ、どこで売っているの?」との問い合わせがあった程でした。化学療法により普段はなかなかお食事がすすまない方も、この日は笑顔でケーキを召し上がり、そのお姿が大変印象的でした。
 これからも病院職員一同で協力して、お食事を通して患者さまに喜んで頂けるようなサービスを提供していきたいと思っています。
 
                                   NHO東埼玉病院  栄養士  富井 三惠