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国立病院栄養研究学会

栄養士の活動

食を楽しもう!~MOTTO MOTTO~
 当院では、「長崎になくてはならない病院」を目指しています。
 今回は、病棟が主に長期療養生活の場となっている重症心身障害児(者)の患者様に、食に関する楽しみがもっともっと増えるように行事・献立を検討しましたので報告させて頂きます。
 取り組み内容としまして、①お楽しみメニューの日を設定 ②食育活動 ③調理体験を実施しました。毎日の食事は楽しみであり、リクエストメニューも多く出ていました。そこで、毎月19日の食育の日を「お楽しみメニューの日」としまして意見を取り入れたメニューをメッセージカードと共に提供しました1)。この時の患者様は満面の笑みで、またもりもりと食べる姿も印象的でした。さらに、より関心を高める為に患者様がメニューボードを作り、それを掲示する事としました2)。紙粘土を丸めてボードに付け、おはじきで飾り付けを行う姿は真剣そのものでした。提供したメニューの中には、ババロアやメンチカツ・ドーナッツ・コーヒーゼリー・海老フライ・唐揚等新メニューとして取り入れたものも多くありました。新メニューを取り入れる際には、全患者様に統一して安全に喫食可能なのかを前提とし事前に調理師と何度も試作をしました。また、お楽しみメニューの日が近づいてくると「今度のお楽しみメニューは何ですか」や「海老フライはいつですか」等日常会話になっていました。食育活動としまして、1回目はトマトを栽培し収穫しました。水やりを当番制にする事によって「次は誰かね?」という発言も聞かれ、それぞれが責任を果たす事の重要性を経験出来たと思われます。また、トマトの旬を学ぶ事も出来「いつになったら食べられると?」と収穫という目的に意欲がかき立てられたのではないだろうかと思っております。食育活動2回目は、クリスマスバイキングのメニューから食事の摂り方について事前に説明をしました。毎年クリスマスバイキングを実施していましたが、好きな物だけに偏ったり、過剰摂取だったり等の問題点がありました。そこで、栄養バランスを考えて頂く機会としまして、事前に食事の話と食事に関連するゲームを実施しました。バイキング当日は、極端な偏食や過剰摂取等の問題もなく、保護者の方からは「ウチの子はこれで良いですか」や「バランスは大丈夫ですか」等と食事を気にする姿勢もみられました3)。調理体験では、食育活動1回目にて収穫したトマトを使用しジャム作りをしました。トマトの皮むきや潰す作業等真剣かつ生き生きと取り組まれていました。2回目は、バレンタインに因み長崎名物カステラを用いてチョコレートフォンデュを保護者の方と共に作りました。これら2回の調理体験では、媒体を用いながら作り方の説明をし、その後に調理体験を試みました。帽子を被り、エプロン・マスクを着け日頃出来ないような格好に患者様も興奮気味だったように思えます。
 今回の取り組みは、日常化している食事を患者様と計画・実施・体験する事で患者様自身の満足感・達成感に繋がり、さらにはもっともっと色々な事をしてみたいという興味・意欲へ、そしてそれらが楽しみへと繋がったのではないかと考えました。今後も食を通じたコミュニケーションがもっともっと楽しくなるように今後も積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 

1)お楽しみメニュー


1)お楽しみメニュー

2)お楽しみメニューボード


2)お楽しみメニューボード

3)クリスマスバイキング当日


3)クリスマスバイキング当日

                                    NHO長崎病院 管理栄養士 渡邉 さつき