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国立病院栄養研究学会

栄養士の活動

心を込めたひと手間を…手作り行事食の提供
 当院は、東京都清瀬市に位置する、13病棟560床の、標榜診療科として内科・神経内科・呼吸器内科・消化器科・循環器科・外科・整形外科・呼吸器外科・消化器外科・眼科・リハビリテーション科・放射線科・歯科・麻酔科を持つ病院です。
 結核を含めた呼吸器疾患を中心とした政策医療の役割と、肝疾患に関する専門医療の提供による医療施設として、高度専門性を持った医療、臨床研究及び教育研修と情報発信の機能を備えた施設です。
 毎食約400食の食事提供を行っており、行事食はこれまでも実施していましたが、このたび、緩和ケア病棟で食事提供を行っている方、がん化学療法中などの食欲不振用食喫食者を対象に、冷凍食品や既製品を使用せず、手作りで太巻き寿司と、菱形ちらし寿司を作成、提供した取り組みを紹介します。

 はじめは、栄養管理室の事務所での話題「患者さんに節分に太巻きを出せたら喜ぶだろうね!それも冷凍じゃなく、手作りで!」というところから始まりました。スタッフと話していくうちに、本当に患者に食べてもらいたい、何とか提供できないかという思いが募り、方策を考えました。幸い節分の日は実習生もいて、忙しい栄養スタッフ以外の大事な戦力となり得ました。調理師長に相談しましたが大人数に提供するには手数が足りないし、協力は難しいとの回答。そこで対象を緩和ケア病棟と化学療法等で食欲不振食を喫食している患者に限定し、実施に向けて動き出しました。
 まずは、献立の検討や材料の選定。その後、一番大事な太巻きの試作。普段、巻きすなどほとんど扱ったこともなかったため、調理師長に巻き方を伝授してもらい、日夜、特訓を重ねる日々が続きました。当日は、調理師長もかんぴょうを煮たり、胡瓜の仕込みをしてくれたり、他の調理師のさりげない協力もあり、実習生とともに1本1本、真心を込めて巻き、不格好ながらも手作り太巻き寿司を患者に提供することができました。
 また、この経験から、1ヶ月後のひなまつりでは同じように緩和ケア病棟と食欲不振食を喫食している患者対象に三食の菱形ちらし寿司を計画しました。菱形の型がなかなか見つからなかったため、型も手作りで作成しました。その後、献立検討、試作を重ね、当日は実習生と流れ作業で、いつもの食事とは違った三食の菱形ちらし寿司を提供することができました。
 ひなまつりにアンケートを実施した結果、配布21枚、回収16枚で、図のような評価が得られました。いつもの食事と比べて良い評価が高く、見た目も良い評価を得られました。
 味だけでなく、見た目にもこだわることで、いつもの食事とは違った、「食べたい」という患者さんの気持ちを引き出すことができる食事作り、を実感しました。

 今回の経験を通じて、NSTや栄養管理も、わたしたちにとって大切な仕事ですが、見た目も味も真心を込めた、食べて喜んでもらえる食事を提供することが栄養士の役割でもあり、やり甲斐に繋がることを改めて実感しました。
 今後も季節に応じて、このような行事食の機会を考えていきたいと思います。