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国立病院栄養研究学会

栄養士の活動

大阪医療センターNST 2チーム体制の導入、そして継続へ

≪はじめに≫
 大阪医療センターは大阪市の中央区に位置し隣に大阪城を臨む病床数694床、39診療科を有する急性期病院です。また三大疾患である、がん・心臓病・脳卒中をはじめ、エイズやC型肝炎などの感染症や、高度救急救命医療・災害医療など、幅広い領域の疾患を取り扱っており、高度かつ総合的な医療を提供しています。病態も多岐にわたり合併症例も多く栄養管理においても、総合的かつ専門性を要します。

 当院NSTは、2003年に発足、完全依頼型にて運営しており、看護師や言語聴覚士等、どの職種からでも医師の承認があれば、NST介入を依頼することが可能になっています。チーム一丸となり取り組む中で、栄養管理に対するニーズも増え、平成25年6月当院NSTは大きく変化することとなりました。件数の増加と共にニーズの多様化も認められたことから、過去のNST介入症例のアウトカム評価を実施したところ、嚥下障害と癌を有する患者の依頼が多く、NST介入期間も長期化しやすい傾向があることがわかりました(2013年国立病院総合医学会発表)。そこでチームリーダーの医師を2名とし、栄養士2名を専従とした2チーム制が誕生しました。それでは各チームの特徴をご紹介します。

★より素早く的確な判断!そして寄り添う栄養!“外科・がんチーム”
 胃切術など外科的手術を受けられる患者さんにとって術後のみならず術前の栄養状態は合併症予防の面からも非常に大切です。術前の栄養管理において重要視すべきは、「時間」です。入院前から食思不振で低栄養を呈している患者さんは少なくありません。手術までの限られた時間の中で最大限の管理を行うには、栄養ルートの選定、栄養量の設定、食種・栄養剤の選定を、迅速にチームで連携を密にして行っています。


 そして、寄り添う栄養。抗がん剤治療を受ける患者さんの食欲不振や味覚異常に配慮し少しでもおいしく食べられる様に、苦痛にも配慮した食事提供に努めています。そのため、既存の献立の形態や味付けがどうしても合わない場合には「PC食」で対応します。PC=Pain Controlとは、緩和を目指す食事であり、形式にとらわれずQOLを優先した完全個人対応食です。PC食に変更することで喫食量がアップし、徐々に患者の表情が和らいでいくのを見た時、栄養管理の基礎が食事にあることを強く実感します。
 その他見た目にも美しくおいしい食事の提供を調理師と協同で取り組んでいます。


★じっくりと検討し、堅実な栄養管理!見逃さない関わり!“内科・嚥下チーム”
 心疾患・腎疾患・エイズ・救命救急、そして脳血管疾患。消耗性もしくは制限が必要な疾患、それらを総合的に評価し必要栄養量設定→栄養アプローチへ繋げる専門のチームです。補給量を経口+PN、経腸+PNなど栄養ルートを併用して確保、疾患によって時には50kcal/㎏IBW以上の積極的栄養管理を行うケースもあります。重要となるのはアウトカム評価であり、体重・血清Alb・摂取量を含めた総合評価をカンファレンスにて行い、設定栄養量などを再検討しています。
 もう一つの特徴は、摂食嚥下に特化したチームであることです。摂食嚥下回診とVF検査は当チームが担当します。脳障害がもたらす嚥下障害か、あるいは器質的に咀嚼能が低下しているのか、脳卒中内科医のチームリーダーと言語聴覚士がいる病院だからこそ適切に判断することが出来ます。日々の介入の中でより現状に即した嚥下食の必要性から平成26年2月、「ムース食(嚥下2食)」を立ち上げました。医師、言語聴覚士と何度も検討し試行錯誤を繰り返し、調理師が腕をふるい、普通の食事と変わらない、食材・献立の特徴を生かした食事へと仕上げました。食べる喜びを感じ、より継続して頂ける様、その努力を現在も惜しまず日々工夫を重ねています。
                             NHO大阪医療センター NST